仮想化

バーチャルリアリティ・仮想現実という言葉が一般的になりました。情報処理技術としての仮想化も発展しています。ですが、私たちも仮想化の達人であったのです。

仮想現実

アート

創作で現実感を得るための技術、もしくはその技術を用いた創作の世界のことを仮想現実(Virtual Reality:VR)と呼びます。

赤と青のフィルムを用いたメガネによる立体映像や、スピーカーを客席の周囲に配置するサラウンド音響は以前から映画館で利用されていました。

現在では、位置や運動量を計測するセンサーや立体映像に対応した表示機器の普及、描画技術の向上などにより家庭や屋外でも利用できるようになり、注目される技術となりました。

情報機器の仮想化

データセンター

コンピューターの仮想化も新しい技術ではありません。今の感覚では大型な1台のビジネス専用コンピューターを、複数台の仮想コンピューター(Virtual Machine:VM)として利用する形が従来の主流でした。

近年、特に注目されるようになった仮想化技術は、ビジネスに特化していない安価な機器を利用しています。多数の機器をまとめて1つの機器として扱い、そこから複数のVMや仮想の通信回線などに分割して必要とする能力の機器を確保します。

実際には実現不可能な、巨大な機器を仮想的に実現できることも特徴です。

かつては最低でも数千万円のコンピューターでしか利用できなかった仮想化ですが、現在では数万円のパーソナル・コンピューターでも利用できるようになりました。私も古いノートパソコンにVMを生成して、サーバーの構築手順や動作の確認に活用しています。

脳が行う仮想化

大統領

私たち人類も、有史以前から仮想化を活用しています。

例えば、あなたが合衆国大統領と会話する場面を想像してください。他人、それも会ったこともない大統領の思考や反応がわかるはずもありませんが、あなたは想像できたはずです。これは、あなたの脳内で大統領が仮想化されているためです。

マスコミュニケーションやインターネットなどの情報メディアから受ける大統領の印象をもとに、不足する部分は『自分であればこう考える』で補って人物像を生成しています。仮想化された人物は、あなたが演じる大統領に等しく、もちろん実際の大統領とは別人です。

一方、情報機器の仮想化では、処理速度を除いて対象の機器と全く同じVMが生成できます。ただし、対象の機器に関する全ての情報が必要です。これらが脳内の仮想化と決定的に違う点です。

大統領のような遠い存在でもない身近な人物であっても、他人の思考はわかりません。人物に関する情報が大統領より豊富で、より実物に近い仮想化がされているだろうと推定できるのみです。

この仮想化は珍しい現象ではなく、他人とコミュニケーションする際には必ず起きています。仮想化された他人の反応を確認することによって、初対面の人物であってもトラブルの発生率を軽減することができます。

しかし、有益な面だけではありません。コミュニケーションを必要としない場面でも仮想化が行われているため、無限の神秘を生み出すことになりました。

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